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内海正人

Profile

1964年、神奈川県生まれ。武蔵大学卒業。商社の子会社にて法人営業などに携わった後、船井財産コンサルタンツ横浜を経て、現職。総合商社の金融部子会社にて法人営業、融資業務、債権回収業務を行う。その後、人事コンサルティング会社を経て、日本中央社会保険労務士事務所設立。現在に至る。退職金や人事コンサルティング及びセミナーを業務の中心として展開する。 著書に『会社で活躍する人が辞めないしくみ』『仕事と組織は、マニュアルで動かそう』(クロスメディア・パブリッシング)、『フリーランスの教科書』(共著。講談社)、『社労士 絶対成功の開業術・営業術』(インデックス・コミュニケーションズ)など多数。

Book Information

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働く人々の気持ちに寄り添って



現実的な解決策提示を行う現場派社会保険労務士として活躍する内海正人さん。金融業界での経験や知識を活かし、人事、経営コンサルタントとして幅広く活躍しています。「お客様との意識の共有が喜び」という内海さんに、独立のきっかけ、仕事哲学、伝えたい想いを伺ってきました。

「架け橋」をキーワードに


――「生きた制度作り」を標榜されています。


内海正人氏: 人事制度というのは、時代によって変化しています。例えば20年ぐらい前までは、職能資格制度を大企業が採用しており、中小企業もそれに倣った制度を採っていました。2000年初頭に、外資が日本に参入してから、成果主義が導入されはじめました。そこから、昔の制度がほころび始め、それと同時に終身雇用も崩れ始めました。

混沌とした状態の中で、さらに迎えたのが転職の時代です。「どんな人材が望まれるのか」会社として社員の評価制度に独自性のある中小企業が出始めてきましたが、まだまだ昔の制度を引きずっている企業も多いのです。「時代の趨勢と会社の状況に合わせた人事考課を」とアドバイスしていくのが、この「生きた制度作り」なのです。

会社で積むキャリアのもろさを実感



内海正人氏: 私が大学を卒業した頃はバブルの終わり頃でしたが、今のように「就活」という言葉もなく、一つの会社にずっと普通に勤めていくのだろうなと思っていました。私はある商社に入社したのですが、研修後すぐに子会社へと出向になりました。グループ採用というようなものが、昔は結構あったんです。それで、金融関係の仕事につきました。子会社は上場するもすぐに倒産。「会社って、意外にもろいな」と思いました。その後、親会社に戻ったのですが、せっかく今まで身につけた金融の知識は、その会社でのステップアップには役立ちませんでした。そういう経験から、「食べられる資格」を考えるようになり、社会保険労務士の資格を取りました。

――危機感を感じていたのでしょうか。


内海正人氏: いろいろな事を考えざるを得ない状況でした。そういう意味では、出向できてよかったのかもしれません。子会社での出向時、私は新卒に毛が生えたような身分でしたが、融資の仕事で対面する顧客は皆、私より年上の経験豊富な方々ばかり。若造という事もあり、気を許してくれたのか、けっこう会社の愚痴をこぼされていました。そういう愚痴を聞いていると、次第に誰にも相談できない社長の孤独さを感じました。当時は大した意見を言えませんでしたが、相談役の必要性を感じました。

――自然と、経営というものに興味がわく環境にいたのですね。


内海正人氏: ええ。経営者の思考回路を垣間見た気がしました。どのようにして人を使ったり、お金を集めたり、事業を成り立たせるのか。特に、会社内の人材という問題の複雑さを感じました。どの会社に行っても、優秀な人、普通の人もいれば、お荷物になる人もいる(笑)。業種業態は様々ですが、中身は結構似ている。「組織って面白いな」と思いました。その後、社労士の資格を生かして色んな場所で働く事になりました。


お客様との意識の共有が、喜びとなる


――独立された当初は。


内海正人氏: スタートして半年ぐらいは不安でしたし、つらかったですね。今みたいにネットを使ってという感じではなく、自分が何者なのかということを書いたはがき送って、アポイントメントを取って会いに行く、ということをやっていました。社労士というのは、非常にイメージしにくい仕事なので、どんなことをやるのかということを説明することを、まずは考えました。時間はあったので、予定を埋めていく作業を続けていきましたよ。そうすると、直接的な仕事ではなくても、紹介を受けたりするようになり、仕事がぽつぽつと入っていきました。私は色々なことをやってきましたが、無駄なことは一つもなかったなと思っています。そして今ではこれが天職だと感じています。

――内海さんにとって、仕事における喜びとは。


内海正人氏: 一つは、お客様との意識の共有です。大なり小なりのゴールへ導いたというところが大きいと思います。この仕事は手続きと言われている、いわゆるアウトソーシングの業務以外にも、色々な経営者向けのコンサルティング、社員をどういうふうに活性化するかとか、組織をどういう風に動かせるのかとか、社長の考え方を整理してあげるという側面もあります。やはり工夫も必要ですし、試行錯誤もします。その結果、成果が現れたときは何物にも代え難い喜びとなります。「内海さんの言うとおりだった。よくなりましたよ」と言われたときなどは、一緒に感動してしまいます。

現場の想いを具現化する


――そういったエピソードをブログに記されていました。


内海正人氏: 私自身、昔は勤め人で、独立して働くようになって13年経ちます。勤める人の気持ちと、経営者の気持ち両方が分かる人間として、両者の架け橋になろうと決めました。情報量の差もありますし、立場の違いによって、求めるものも違うのです。だからその両方を知っている者として、「架け橋」をキーワードにメルマガやブログで発信をはじめました。それが元になって出来たのが、この『仕事は部下に任せよう!』です。専門書ではなくて、少し自分がにじみ出るようなビジネス書を念頭において、本を出すのはどうしたらいいかと考えていたら、明日香出版社の方とご縁が出来ました。今うちで一緒に仕事をしている会計士がすでに本を出していたので、「本を出したい」という話もつねづねしていました。「労働基準法とは」というようなものを、書いてまとめていましたが、書籍になったのは、メルマガで日々発行していたものがベースになったものでした。

――どのような想いで書かれていますか。


内海正人氏: 編集者からテーマを提示されて、依頼して書く事も多くなりましたが、変わらないのは、「現場の想いを具現化する」ということ。テーマからディテールまで、きちんと流れを作って、具体化するというところに重きをおいています。抽象的な話は、なかなか突き刺さりません。誰もが「ああ、こういうことあるよね」とイメージできるところまで書き表します。そうすると私が書いたものであっても、私のものでないものという感じになっていきます。読んだ方の思いや想像が、本にのっかってくるはずなのです。だから私が提供しているストーリーだけど、それを皆さんが自分でアレンジして欲しいと思っています。

――内海さんにとって、編集者とは。


内海正人氏: マラソンだと、伴走してくれる人がいますよね。編集者は伴走者であって、それに力量もあるので、ガイドというか、「今はこうしたほうがいい」とアドバイスをしてくれるようなコーチ、といったイメージがあります。給水を取ろうとか、今度はもう少しペースをあげようとか、まだ距離があるから、少しペースを落とした方がいいと言ってくれるとか。編集者がやる気を起こさせてくれたりもしますが、厳しいことも言われますよ。「つまらないから」ということで、1章分落とされたこともあります。それは『社労士 絶対成功の開業術・営業術』だったかな。「内海が何を語るかであって、社会保険労務士はこういう仕事だよっていうことを伝える本ではない」ということだったのです。

本を作る上でラッキーだったのは、カリスマバイヤーの土井英司さんに出会ったこと。土井さんが独立されて、まだ半年ぐらいの頃、まだ当時は今ほど有名ではなかったものの、彼は業界のビジネス書の仕掛け人という感じでした。その彼に業界的なとことか、編集さんとはこういう風にしたらいいよ、ということなど、色々教わった時期もありました。

働く人々の気持ちに寄り添って


――様々な本で、内海さんならではの内容を発信されています。


内海正人氏: 私は社会保険労務士として経営者にアドバイスするにあたり、「これが法律だよ」と強制するのではなく、「会社を経営するにあたってどういう風にしたらいいのか」という、一つ一つ具体的なところまで手を差し伸べるというのが、ミッションの大きな柱だと思っています。

そして、組織の問題とは人の問題だと思っています。人の問題は感情の問題です。ちょっとした指示者側の気遣いの差で、受け止める側も違う印象を受けると思います。伝達手段を重要視することで、業務も円滑に進みます。組織においては1たす1が2ではなくて、3倍にも4倍にもなるということ。会社はチームでやるものです。でもそこのボタンのかけ違いが起これば、10人のチームでの結果が100になるどころか、8になってしまうこともあるのです。そういったところを交通整理しながら、円滑に進めるためにはどうしたらいいか。それをいろいろな切り口で記しています。

――法律やコミュニケーションの工夫や戦略や戦術というものが記されています。


内海正人氏:会社で活躍する人が辞めないしくみ』に関しては、完全に組織を意識して書きました。今の1たす1が2じゃないという話も入れています。時代が変わってきたので、ルールも昔の考え方で考えると厳しいですよね。そういったところの制度の変化情報の共有、また時代の変化も伝えていかなければと思っています。科学の発見や道具などはどんどん進化しますが、人の気持ちは何千年前から、それほど変わっていないと私は思うのです。そういった人間の気持ちに寄り添って、これからも働くすべての人をサポートしていきたいですね。

(聞き手:沖中幸太郎)

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