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山口真由

Profile

1983年、北海道生まれ。 東京大学法学部在学中、3年生時に司法試験合格、4年生時に国家公務員第Ⅰ種試験合格、2006年3月に首席で卒業。財務省に入省し租税政策等に従事した後、2009年に弁護士登録。 著書に『東大首席弁護士が教える超速「7回読み」勉強法』(PHP研究所)をはじめ、『誰でもできるストーリー式記憶法』(KADOKAWA/角川書店)、『図解版 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』(扶桑社)、『エリートの仕事は「小手先の技術」でできている。』(KADOKAWA/中経出版)などがある。 コメンテーターとしてテレビ等にも出演している。

Book Information

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自らの成長を感じたい


――その甲斐あって、東大へと進まれます。


山口真由氏: 「東大生ってこんなに多いんだ」というのが、入学式の日の率直な感想でした(笑)。「これさえ乗り越えれば、私の人生は安泰だ」目標に向かって自らを追い込むとき、私は常に自分にそう言い聞かせます。しかし、実際に目標が達成されると、そんな甘いものではないことに気づきます。東大に入ったとしても、それですべてが満たされるわけではありません。だって、「東大に入る人って、こんなにいっぱいいるんだな」って、まずそこで驚いてしまったくらいですから(笑)。

――一つの岐路に立ちますね。


山口真由氏: ええ。そこで、「心折れるか、さらに頑張る」か。私は「じゃあもうちょっと、やってみようかな」と思いました。東大は、勉強するにはとても恵まれた環境でした。だから、東大に入ってからも勉強を続けようと思えるようになりました。

――次へと進む原動力は、どこから湧いてくるのでしょう。


山口真由氏: 私は自分で目標を作って、その目標に向かって進むという思考がすごく強いのです。「自分自身を成長させたい」という想いが、そもそもの原動力になっています。時間は誰の上にも平等に流れるものです。過ぎてしまった時間を取り戻せない代わりに、過ぎていく時間の分だけ自分も成長していきたいという発想が、ずっと昔から自分の根源にあります。

おそらくその発想が、司法試験の直前2週間の、猛勉強にもつながったのでしょうね。時間が足りない!もっと勉強しなくては!と思って、1日3時間の睡眠で、あとはご飯とか、お風呂も20分くらいに設定して、洗面器に水を張って、眠くなるとそこに足を入れて眠気を覚まして、勉強していました。

――ストイックに感じますが、山口さん自身楽しまれているのではないでしょうか。


山口真由氏: 確かに過程は辛いですし、司法試験直前の勉強は、もう2度と繰り返したくないですけど(笑)。目標がないことのほうが、むしろ私には辛いですね。真綿で首を絞められるような気持ちになるんです。目標に向かって進んでいるとき、生きていることに対する充実感を感じられますね。

――その中で培われてきた、目標達成の秘訣とは。


山口真由氏: 自分の「成長曲線」を分かっておくことでしょうか。ひとつの目標を目指すとき、はじめは努力の量に比例して成長することができます。そういうときは、努力をむしろ楽しいと感じるものです。ところが、とても調子が良くて「このまま行けば、目標達成!」と思った瞬間、突然、努力しても成長が横ばいになる「プラトー」の時期が来ます。さらに、プラトーを乗り越えて、もう一度、成長曲線に乗っていくことができても、ゴールの直前で、突然、今までの実力よりも自分の実力が下がったように感じてしまう、「スランプ」の時期が訪れるのです。

この「スランプ」の時期が、一番辛いものです。努力して、それによって、自分自身が後退したように感じるのですから。しかし、実はそこがゴール目前。このように、自分の「成長曲線」の全体感があれば、プラトーやスランプのような苦しい時期にも、「終わらない冬はない」という、その先の未来に対するポジティブな気持ちを保つことができます。これが、目標達成へのモチベーションを保つ秘訣なのだと感じています。

人と人との経験をつなげることが出来る本


――そういった秘訣や方法論を著書に記されています。


山口真由氏: 今までの本や、この『図解版 天才とは努力を続けられる人のことであり、それには方法論がある』のテーマは努力論です。生まれ持ったものは平凡な才でも、それを極限まで引き出していこう、そこにこそ、人生の勝負がある――私の30歳までのテーマを思い返して、東大、財務省、司法試験、弁護士という自分の選択を見直しながら書きました。

――具体的な方法論はもちろん、読むことで追体験ができるように感じました。


山口真由氏: 中学高校生から大人まで、それぞれのシチュエーションに合わせて、言葉を置き換えて幅広く読んで頂きたいと思って書きました。読者の方から頂いた感想の中には「今自分は、英語にこういう課題があって、『七回読み』を実践してみたら、成果が出ました」と、それぞれの課題に合わせて解釈してくださるものがありました。そういう風に読んで頂けるものが出来て非常に嬉しく思いますし、そこに「人と人との経験をつなげる」本の可能性を感じました。

――山口さんにとって「本」とは。


山口真由氏: 自分の生き方とは全く違う人生を、仮想体験をさせてくれる存在だと思っています。思春期にコンプレックスでいっぱいだった私が、それでもぐれたりしないで、真っ直ぐ進めたのは、本の世界があったからです。私は、ファンタジーが大好きでした。物語の中では、常に私がヒロインなのです(笑)。困難を乗り越えて、冒険の旅を続けるヒロインに自分を重ねるのです。そうして、自分とは違う人生を追体験することで、新たな自分を見つめることができました。こうして私自身も本にたくさん助けられましたし、今回まとめた本が、それぞれ自らの目標に進んでいくことが出来るきっかけになればと願ってやみません。

女性がどのように生きるのか


――山口さんの次の「目標」は、なんでしょう。


山口真由氏: 弁護士という仕事を通じて、次に見えてきたのは「女性がどのように生きるか」ということ。このテーマに、今後、色々な形で向き合っていきたいと思います。「女性が輝く社会」がキーワードの一つとしてあげられる現在、毎日仕事に悩み、恋愛に悩み、結婚に悩み・・・。そういう私達の等身大の目線を、もっと俯瞰して、提起していけたらと思っています。

――今の政策では、あくまで「男性社会における女性の地位」という域を出ていない、と。


山口真由氏: 女性の社会進出については、女性だけの問題でもなければ、男性だけが改善を要求されている問題でもありません。私達の両親の世代から、社会は大きく変わりました。それなのに、私達は、「男性はこうあるべき、女性はこうあるべき」という、両親の時代の社会規範に必要以上に縛られています。規範を内省化することが悪いとは思いませんが、「もっと自由に、もっと柔軟に」。30歳代の私たちのような女性がどういう選択をしていくのか。これからもっとたくさん勉強をして、経験を重ねて自分の弁護士としての背景も絡めながら発信したいと思っています。

(聞き手:沖中幸太郎)

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