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藤屋伸二

Profile

1956年、福岡県生まれ。1996年 藤屋マネジメント研究所を設立。ドラッカーの著書を200回読み込んで独自のコンサルティング手法を編み出し、200社以上の業績伸長やV字回復を支援してきた。現在、「藤屋式ドラッカー活用法の普及」を事業目的にかかげ、ドラッカーを継続的に勉強する中小企業の経営者のための「【藤屋伸二の創客塾】」の主宰をはじめ、差別化戦略・中期事業計画の作成指導、セミナー・講演、執筆活動などを行なっている。著書・監修書には『まんがと図解でわかるドラッカー』『図解で学ぶドラッカー入門』『ドラッカーの黒字戦略』など多数。

Book Information

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読み込むことで見えてくる「ドラッカー」の深さ


――さらにご自身もドラッカーを「本」にまとめることになったのは。


藤屋伸二氏: 大学院でドラッカーをテーマに据えてから、100回くらい読み込んで自分なりにまとめていました。それを聞きつけた出版経験もある知人が「ドラッカーを、100回も読んだら一冊の本になるよ」という話になり、出版に至りました。2冊目の『図解で学ぶ ドラッカー入門』や2009年11月のドラッカー生誕100年に合わせて出版した『図解で学ぶ ドラッカー戦略』の後に“もしドラブーム”が起こりました。

コンサルをやる以上は、経営者の方に色々とアドバイスをしなければなりません。その時に、戦略、組織、経営計画、モチベーション、評価制度、それぞれ別々の筆者の観点で書かれている本はあるのですが、まとまった本がなかったのです。でもドラッカーの本は違っていました。まとまっていたし、1回、2回、3回と読んでいくと、螺旋階段を上がるように、自分の能力も上がってきて、さらに階段を上がって読むと、また違う景色が見えてくる。そういうところが、ドラッカーの深さだと思います。だから、コンサルに入るお客様、企業のテーマごとに、こちらの意識も違ってくるので、毎回読んでも、見るところ、入ってくるところが全然違います。

価値ある1冊を読み込んでほしい


――どのようにして読み込まれていったのでしょうか。


藤屋伸二氏: 毎回、読むたびに新しい本を用意して書き込みながら読んでいます。そのため、棚にも同じ本が何冊かあります。毎回、読むたびに得るものが違います。書き込みのある本をそのまま読むと、以前の書き込みや線に引っ張られてしまうので、都度新しいもので読んでいるのです。

――何度も、深く読み進めていくのですね。


藤屋伸二氏: 私にとって、仕事の上での読書は「何かに活かすもの」です。勉強目的だと「ためになった」で終わります。読んで感じたことを、「自分の仕事にどう置き換えるか」ここが大事。年間100冊読むというと、100冊読むこと自体が目的となってしまうこともあります。

コトラーのマーケティング・マネジメント』などは、数百ページに及ぶ分厚さですが、こういったものを何度も時間をかけ読むことが大切だと思います。若い人や勉強している人には、「100冊の本を1回ずつ読むよりも、1冊の本を100回読みましょう」と言っています。

――どんな想いで書かれていますか。


藤屋伸二氏: 私が対象と考えている経営者には、時間があまりありません。だから「必要なものだけを、わかりやすく」ということを、自分のキャッチコピーにしていています。もしリーダーシップを題材にした本であれば、それに必要なものだけを書きます。あれもこれもと入れると、わかりにくくなります。そこで必要とされるのが編集者の力。こちらは書くプロですが、編集者は「読ませるために、どうするか」という部分のプロだと思うのです。だからその両者のコラボが必要だと思います。

――そこが編集者の役割だと。


藤屋伸二氏: 本が売れるのが商品力で、これは筆者と編集者が作ります。本をどう売るかという販売力が出版社なのです。編集者や出版社には、ある程度、顧客が見えているので、こちらが提供した素材を顧客に向けてアレンジしてくれる。そういう三者の関係が成り立っていると私は思います。それは電子書籍でも同様です。「誰に、何を、どのように伝えたいのか」、この三つを届ける側である私たちの共通認識はとても重要なことです。



事例の積み重ねで、新たな発見を



藤屋伸二氏: 私の本には、 「いい仕事をするために、業績を伸ばすために、ドラッカーを活用してください」という“ドラッカー活用法”が書かれています。翻訳家の上田惇生さんは、見事な翻訳でドラッカーを日本に導入してくれました。その導入されたドラッカーを、「学問としてだけではなく、仕事に活かしてください」と伝えることが、私の仕事だと思っています。

――新たに『ドラッカーの黒字戦略』(CCCメディアハウス)も出ました。


藤屋伸二氏: 12月の11日に発売されたばかりです。『ドラッカーの黒字戦略』(CCCメディアハウス)では、これまでになかった“事業の黒字化”をテーマに書きました。<ニッチ×創造的模倣×連携>がキーワードです。ヒト・モノ・カネ・時間・ノウハウ・情報が不足する企業にもできる、200社以上で実証ずみのドラッカー活用法です。これからも、こういった事例を積み重ねた本を届けていきたいと思います。

ドラッカーは「70歳代の時が、一番生産的な10年間であった」と、あるインタビューで答えています。積み重ねてきた経験を、一番うまく組み立てることができたのが、70歳だったのかなと。私も、58歳で経験が重なってきています。また、ドラッカーという基礎知識を、今も繰り返しやっています。次の60歳代の10年間は、これまでよりももっと面白いだろうと期待しています。

(聞き手:沖中幸太郎)

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