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世界中の本好きのために

中村亨

Profile

1959年、京都府生まれ。神戸大学経済学部卒業、同大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。松阪大学政経学部講師・助教授・教授を経て、現職。専門は計量経済学、開発経済学、国際金融論。 著書に『経済発展の計量分析』(晃洋書房)がある。直近には『大恐慌論』(ベン・S・バーナンキ著。日本経済新聞出版社)の翻訳など。

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自分の活動している姿を見せ続ける



神戸大学経済学部卒業後、同大学院博士課程単位取得退学。 松阪大学政経学部講師、助教授、教授を経て神戸学院大学教授、現在は学部長を務められています。計量経済学、開発経済学、国際金融論が専門である中村先生のゼミでは他大学との交流も多いそうです。中村先生に、お仕事に対する思い、教師のあるべき姿、教育における電子書籍の可能性などをお聞きしました。

様々なことを学生たちに与えたい


――学部長をされていらっしゃるということですが、お仕事の近況をお聞かせ下さい。


中村亨氏: 私立大学は生き残るための改革をしていかなければいけません。私もその心意気だけはあるのですが、学部長になって間もないので、まだ学内業務の詳しいところが分かっていません。
授業やゼミでは色々な他大学との交流も含めて、学生との関係を大切にしようと思い、色々な試みをしているところなんです。ついこの間、近畿圏の大学を中心として、西は長崎大学から東は武蔵大や中央大学という、他大学とのかなり大がかりな論文発表大会がありました。今回初めて参加させていただいて、学生は打ちのめされて帰って来たことかと思いますが、私自身は他校の大学生の事情もよく分かり、刺激を受けて帰って来ました。これからは、「他の大学はこうなっているんだ」というのを、色々な形で学生に知ってもらいながら切磋琢磨させていかなければいけないと思っています。うちの経済学部には特徴のある先生が大変多く、ついこの間(2013年11月23日)、野田前総理に本学に来ていただき、ゼミを開いていた先生もいました。そのように、一生懸命頑張ってくれている先生もいらっしゃいます。

――トップリーダーと呼ばれる方々や、スペシャリストをお招きするのは、どういったお考えからでしょうか?


中村亨氏: 色々な人にお会いしたいし、色々なところから吸収していこう、という考えなんです。色々なことを教師自身が学んでいかないといけないのですが、教師というのは、自分の受けた教育をそのまま反復してしまいがちで、そこにマンネリズムが生まれてしまい、なかなか活性化できないのです。今私はそういった問題意識を持っているので、色々な先生にそういう形で外に出てもらったり、新しい血を入れたりして、様々なことを学生たちに与えられるように努力していただきたいと願っています。

――仕事をする上で、信念として大切にされていることはありますか?

中村亨氏

中村亨氏: 教師は、常に学んでいく姿を学生に見せなければいけないと思っています。自分の知識をひけらかすというような形では、学生は絶対に学ぼうとしないので、本や論文を書くといったアカデミックな活動をしている姿を見せていかないといけません。自分の専門とは少々離れていても、少しでも関係する部分があれば、私は喜んでオファーを受けさせていただきます。野田前総理を呼ばれた先生と話していた時に、元外交官の佐藤優さんの話になりました。彼は大変プロダクティブに本を出版されているんですが、講演をお引き受けにならないらしいんです。印税などは、収入源としてはそれほど入らないらしいんですが、講演をすると、その印税の何倍もの収入が入るとのこと。そうすると地道にアカデミックな活動をすることがためらわれることにつながることを恐れ「一切講演を引き受けない」という風に決められたそうです。自分を律しながらしっかりと誠実にアカデミックな問題と向き合う彼のその姿勢に大変感動しました。私自身も彼と同様、アカデミックな問題と向き合う姿勢を持ちたいと思います。

「自分は何も分かっていない」と思わせたのは本


――幼少の頃の体験などで、現在のお仕事をされている経緯に影響を与えていることはありますか?


中村亨氏: ハーバードのロースクールの学生を描いた『ペーパーチェイス』という映画がありますが、私が小学校5年の時に、夜中に放送していたんです。それを見た時に、大学というのはシビアだけど面白そうだと思って、あの映画が色々な意味で勉強していこうという種になったと思います。
勉強に関しては、昔から数学が好きで、英語も学び始めた時から真面目に勉強していたと思います。英語に関しては、中学の時の英語の先生がとても素晴らしい先生だったので、その先生から刺激を受け、英語が好きになったのだと思います。色々な英語の表現、あるいは慣用句を、色んな小説から引っ張ってきて話してくれました。高校にも1人、京都でも有名な名物教師がいらっしゃって、その先生からシェークスピアなど、教科書ではとても扱わないような高度な内容を教材に講義して頂きました。それが知的なものへの憧れになったと思います。

――本を読むのはお好きでしたか?


中村亨氏: 高校までは野球をやっていて、読書とは全く無縁な高校生活を送っていました。その後神戸大学に入り、ある先輩にめぐり合いました。先輩の下宿に行くと吉本隆明全集がありました。入学当時、学生紛争の影響は少し下火になってきていたのですが、マルクスや吉本の著作を通じて、哲学・思想的なものに関してはまだ議論する雰囲気が残っており、それを読んで初めて「自分は何も分かってない」という衝撃を受けました。それをきっかけに大学時代はスポーツの世界から足を洗い、家にこもって本ばかり読んでいました。本格的に本を読み始めたのは大学1年からで、先輩から年間200冊読むように指導を受けました。それからは京都の古本屋巡りをして、できるだけ安い本を買ったり、絶版本を手に入れたりして喜んでいました。

――当時読まれた本で、印象に残っている作品はありますか?


中村亨氏: 加藤周一著作集と吉本隆明全著作集です。専門とは畑違いなんですが、若い時に刺激を受けた大恩人ですので、色々な意味でお返しをしていきたいという思いでいます。吉本隆明さん、そして加藤周一さんは思想の巨人ですので、そのお2人から知的な刺激だけでなく、学問に対する姿勢というものも、教えていただいたと思っています。

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