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世界中の本好きのために

和田秀樹

Profile

1960年大阪市生まれ。85年東京大学医学部卒業。東京大学付属病院精神神経科助手、米国カール・メニンガー精神医学校国際フェローを経て、現在、国際医療福祉大学大学院教授(臨床心理学専攻)、川崎幸病院精神科顧問、一橋大学経済学部非常勤講師、和田秀樹こころと体のクリニック院長。日本人として初めて、アメリカでもっとも人気のある精神分析学派である自己心理学の国際年鑑に論文を掲載するなど海外での評価も高い。2007年12月劇映画初監督作品『受験のシンデレラ』でモナコ国際映画祭最優秀作品賞受賞、本年8月には第二回作品『「わたし」の人生』を公開し映画監督としても活躍。

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本を“ブラインドテイスト”できる読書家になれ



映画監督、臨床心理士、評論家に大学教授と、マルチな才能を発揮する和田秀樹さん。本に関しては年に40冊も出版するなど、文筆業にも積極的に取り組んでいらっしゃいます。和田さんの世の中に対する考え方を交えながら、これまでの読書経験や電子書籍にまつわるお話を伺ってみました。

毎日違う仕事をするのが、性に合っている。


――早速なんですけれども、現在のお取り組みについてお伺いしてもよろしいですか?


和田秀樹氏: 僕はあんまり1つのことに決めてそれに打ち込むということが少ないんです。これが自分の体質に合っているみたいですね。今だと、先週の金土と映画の公開前のキャンペーンで大阪に行って来たし、前の週は金土と福岡で撮った映画だったので、福岡の舞台あいさつやキャンペーンや行ったりしました。今はどちらかと言うとそんな感じで、動きまわっています。(2012年7月当時)

――色々な仕事をマルチにこなされているということですよね?


和田秀樹氏: マルチかどうかわからないですけど、どちらかと言うと、1つのことに打ち込むと、その仕事が飽きてしまうのかもしれないですよね。週間的なスケジュールで言うと、月曜日はプライベートのクリニックで、患者さん1人1時間ぐらいかけて、面接やアンチエイジングのご協力をしていて、火曜日は逆に保険診療で老人医療をやっている。木曜日は大学で教えるとか、そんな感じなんですよね。もう一方で映画を撮るときは、2週間なら2週間、3週間なら3週間ベタでそういう仕事をするということになるので、そういう意味では仕事のスタイルがバラバラかもしれないですね。

――移動されることも多いと思うんですが、基本的にお仕事の場所は決めていらっしゃいますか?


和田秀樹氏: 特別に決めていないんですけど、仕事がしやすいような移動を選びます。結局、飛行機よりも新幹線が好きな理由は、中でパソコンが使えるとか、寝たいときに寝られるとか、そういうことですよね。今の新幹線はアメニティが良くなってN700などは、すべてのシートに電源がついていたり、東京―新大阪間はネットが使える。とても便利になったというのはありますよね。東京―大阪間だと2時間36分で行けると思いますけど、1時間ぐらいは昼寝して、残りの時間はパソコンに向かっているか、ゲラのチェックをしているか、読書をしているかしています。

物づくりで韓国に負けている日本


――読書というお話が出ましたが、今現在、電子書籍というのは利用されていますか?


和田秀樹氏: いや、ぼちぼち利用したいなと思っているんですよね。電子書籍だったら僕みたいに飽き性で色々な物に変えたいというタイプの人間にはあっていると思うので。普段パソコンを持ち歩いているので、もうこれ以上カバンを重くしたくないんです。今のiPadよりちょい小さい、初期の電子書籍ぐらいの大きさがいいのかなという気がしているんですね。スマートフォンだと読むのに不便だし、今のiPadだと、パソコンとそんなに変わらないし。

――もっとこうなったら読みやすいのにというご意見はありますか?


和田秀樹氏: 僕がスマートフォンを使っている理由というのが、ポケットに入るということに非常にこだわりがあるからです。こだわってみたけれど、今のスマートフォンはものすごく使いづらいですよね。もう少し大きくてもいいから、ちょうど胸ポケットに入るぐらいで、そんなに重くないものができるとか。そうなるとだいぶ違ってくるのかなと思いますね。

――今、お使いの物はなんですか?


和田秀樹氏: 日本の大手メーカーのスマートフォンですね。ちょっと失敗でした。僕は日本製品に対する信頼を非常にしていたし、ガラケーのころまでは日本の携帯電話っていうのは世界で一番優れていたと思うわけですよ。だけど、まだ今はいわゆるiPhoneとかに追いついていないし、結局中途半端な段階で出したとしか言いようがないですよね。だから本来、日本というのは昔から他社の製品のまねをする代わりに、それよりずっと故障が少ないとか、使い勝手が良くなってから出していたのに、このスマートフォンというのは明らかにiPhoneに負けている状態で出しているから、言っちゃ悪いけど日本の恥だと思っていますよね。後から出す代わりにいいものを出すのが、日本のお家芸だったのに、日本はそれすらできなくなっていて、韓国のほうがそういうことができる国になっちゃっている。日本人が学力低下っていうのが90年代、たしか95年ぐらいから既に学力で、韓国に抜かれているんですけど、それから17年たっているわけでしょ? そうすると結局95年当時に中学2年生だった子というのが、今30ぐらいになっているわけですよ。そうすると、学力で韓国に抜かれて15年から20年でいわゆる物づくりで勝てなくなっているわけですよね。

――韓国製品も遜色なくなってきていますよね。


和田秀樹氏: そうですよね。現実にむこうがまねをして、もっといいものを作るということであれば、技術レベルが高いということですよ。

日本はゆとり教育は脱したが、地域間格差が大きくなった


――そんな風になってしまった日本なんですが、今からでもできる処方せんというのはあると思いますか?


和田秀樹氏

和田秀樹氏: 当たり前の勉強をばかにしないということですよね。もともと今の学力低下や、ゆとり教育を言い出した人たち、つまり子どもが勉強のしすぎで創造性がないと言い出した人たちっていうのは、受験勉強ばっかりやっているから本を読まない学生が増えたんだとか言っているけど、人々が受験勉強をしなくなってからのほうが、より本を読まなくなるわけですよ。それは当たり前のことで、自分たちが観察すればわかるけど、そういう批判していた人たちは、みんな高学歴な人たちなわけじゃないですか。つまりこの人たちが、自分たちの世代の、結局暴走族のあんちゃんでもなんでも良いんだけど、いわゆる中卒・高卒の人たちがどのぐらい本を読んでいるのかということを言わないで、東大の連中を見て批判をしていたわけでしょう。全くの印象論で。今のアジアの新興国というのは、台湾にしても韓国にしても、特にシンガポールは、ものすごく昔の日本のまねをして勉強をさせているのに、何で日本があの頃の子どもに勉強をさせる国に戻らないのかというのが、僕は不思議でしょうがないですよね。

――今ようやくゆとり教育が終わりをつげたようですが。


和田秀樹氏: うん、だけどぬるいですよね。それで結局、塾に行っている子だけが、すごく勉強しているという状況だから格差が固定化するし、その格差というのは収入による格差が固定するだけじゃなくて教育熱心かどうかという点で階層による格差が固定化するわけですよね。あともう1つは学校教育でトップレベルと、塾レベルのトップレベルとどれぐらい差があるかということですよね。つまり学校の全国学力テストで1位だとか何位だとか騒いでいても、簡単なゆとり教育のカリキュラムで1番や2番では、レベルが低い。塾の多い東京や大阪ならば勉強はしやすいけれど、青森や秋田は、小・中のレベルでは全国ではトップでも、合わせて10人も東大に行かないし、医学部にも受からないわけですよ。だから東北地方というのは深刻な医者不足なわけです。

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