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世界中の本好きのために

神田昌典

Profile

上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。2007年、総合誌で“日本のトップマーケター”に選出される。現在、ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。累計出版部数は250万部を超える。

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英語が読めなくても、英語を読みたくなる読書会とは



神田昌典氏: いま4万部以上売れている『ビジネスモデル・ジェネレーション』(翔泳社刊)という本は、このRFAという場で、本が翻訳される前から、原書を用いて読書会が行われているんです。あの本が4万部も売れたということに少なからず貢献したのが、このRFAだったのです

日本人は英語に対する苦手意識が高く、洋書が読めないと思っている。いやいや、とんでもない、読めないと思っていただけで、みんなが読書会に行けば、読めるようになるんです!

――全然いままで英語が出来なかった人たちが、どうやって英語を読めるようになるんですか? 


神田昌典氏: そういうニーズがあるからじゃないでしょうか?外国には良い本があるのに、その翻訳を待っていたら1年待ったって、2年待ったって洋書は入ってこない。そうしたら英語を読めるようになるしかないじゃないですか。英語を読める能力はあっても、原書を読むほどの英語力はないと思っている人がいて、でも自分より英語力のない人が、すらすら原書を読んでいたりするのを目の当たりにする。そうするとこの人が読めるなら、俺にも読めるよねって当たり前になってくるでしょう? 

また、例えばファシリテーターと呼ばれる人だったり、今“人に何かを教えたい人”というのがすごくたくさんいるんですよ。たとえば、編集法だったり、インタビュー技法などを、全部、教えられるじゃないですか。で、それを小学生、中学生や、高校生に教えるんです。

例えば、ラリー・キングのインタビューや黒柳徹子のインタビューの本を教科書として、子供たちにヒアリングの方法、インタビューをするスキルを身につけるために、読書会をやってみようと思っていたら、無名の人でも黒柳徹子のブランド名を使い、本というものを媒体として借りて、人を集めることができるわけですね。その時の講義というのは、教科書通りに教えればいいと思っている先生がやる講義と比べて、どっちがいいか……。それは誰にでも分かりますよね。

――もちろん明白ですね。


神田昌典氏: 熱意があって、そして自分の仕事で使えて、なおかつ安いんです。学費が安いはずの公立教育においても、授業一コマいくらで計算したら意外と高いものなんですよ。

国の財政が逼迫したときに、教育を国に独占させておく理由はなくなっていくでしょうね。だって、より効率的な、より親身な、より国全体で教えるようなものがあるのに、従来のものはどちらかというと統制がされていて旧来の工業化社会に基づくマス教育が行われていたら、こっちを解体せざるを得ないですよ。

だけど、それがまだ残っているのだったら、民間はボランティアでみんなやるわけですよ。生きがいという名のもとに。まあ、生きがいだけじゃないですね。それで人脈が増えて他に仕事が増えるからやるんですけれども。とすると、教育の独占という物が終わってくる可能性というのはあるわけで、それは別に日本の流れだけじゃなくて世界の潮流なんです。

ここ十数年で必要なことは「アジアの結束を高めること」


――それでは最後に、神田さんの野望を教えて下さい。


神田昌典氏: 野望…あまりないんですよね。無いというのが一体なぜかというと…忙しいから(笑)。あと、わかりやすく言うのであれば、野望というのは転覆させようという感じがするじゃないですか。でも僕はそういうものは全然ないですね。全然、ない。ただ一つ見えている世界というのは、人口動態的に考えて、アジアは一つにならざるを得ないという事はすごく思っている。なので、「アジア・ユニティ」というような経済概念を民間で作りたい。

――政治的な意味合いで…でしょうか?


神田昌典氏: 政治でやるのが一番いいんでしょうけど、政治だといろいろと動きが遅い。だから、こういう事を言うと近隣諸国、中国、北朝鮮とうまくやっていかれるわけがない、みたいな事で政治的な議論に巻き込まれて批判が多くなるんです。でも、政治がどういう状況であったとしても、豊かになりたいというニーズがあり、我々の子供たちを育てていかなくてはいけないというニーズがあり、その中でビジネスが起こるわけです。

ビジネスというのは調和のための最良の手段なんですよね。いわゆるコミュニケーションの仕方です。文化間のコミュニケーションで、いわゆるシルクロードを伝わって行った人が通商によってそれぞれの文化を花開かせていったように。やっぱりビジネスというのは、お互いに嫌い合っているうちは、ビジネスにはならないからね。とすると、根本的には共通点を見つけてお互いに成長ができるから、ビジネスをするわけです。
神田昌典氏

――つまり、ビジネスの観点から、アジアの融合をめざすということですか?


神田昌典氏: 少なくともアジアのビジネスパーソンは、ビジネスの相手を見極めると思うんです。日本と中国でビジネスをする場合、日本人は優良な中国人を選ぶし、中国人は長期的にやっていかれる日本人を選んだりと自分たちのニーズに合った相手を選ぶ。

仮に中国という国がダメになっても、日本でビジネスができるよう融通してくれる、使える日本人を探して対処するでしょう。
そうしてアジアの国同士で人材の流通、流動が起きていくと、そこに人の営み、例えば恋愛、結婚といったことも起こり、子供も生まれて自然に繁栄してくるわけです。

長期的に、いずれにしろ人口的に考えると日本人というのはヨーロピアン・ユニオンとは言わないけれども、やっぱり緩やかに連携というものをアジアの中で担って作り上げて、その中でのリーダーシップ、いわゆる上からのリーダーシップじゃなくてフォロワーシップと言ってもいいと思いますけれども、それを作り上げないと日本の安定はないわけですね。

――アジア各国と調和していかないと、日本自体が世界で生き抜いていけないということですね。


神田昌典氏: そうですね。だからそういった面では、アジア圏の人たちにアジア・ユニティというものをある程度認識させて、2016年あたりにはアジア国中でアジア万博、アジアエキスポをやってほしいですね。いわゆる今までのエキスポというのは各国が、自国の国力を示すために行っていたものなんですけれども、アジアの国中が、同時にエキスポを開催することで、全世界の中でアジアというものを打ち立てていってほしいですね。そして世の中のアンメット・ニーズ(まだ見つかっていないニーズ)というものをアジアの経済成長があるからこそ、技術も含めて作り上げていくことができるわけですよ。何といったって、ヨーロッパ、欧米を合わせたって人口の7%にしかならないですからね。2050年位には。そうすると我々がアジアの中でリーダーシップをとっていかないと、どうにもならない訳で。そのための教育をやらないといけないから。

そして、2013年にはアジア・ユニティ号という船を出したいんです。いわゆる「国境のない船」という意味で、若手のビジネス・パーソンがそこに集い、お互いの国やお互いの世の中の問題を解決するような会議を行うためのもの(場)ですね。国境のない世界。そうすると、その船に乗っている間にお互いの文化を知ったりその国の美味しいものを食べたり、宗教についてより深く理解をしたり、男女が国際恋愛をしたり、それからお互いの国の言葉を学んだりという事が実現できたら、すばらしいだろうと思いますね。

(聞き手:沖中幸太郎)

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