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世界中の本好きのために

神田昌典

Profile

上智大学外国語学部卒。ニューヨーク大学経済学修士、ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。大学3年次に外交官試験合格、4年次より外務省経済部に勤務。戦略コンサルティング会社、米国家電メーカーの日本代表として活躍後、1998年、経営コンサルタントとして独立。2007年、総合誌で“日本のトップマーケター”に選出される。現在、ビジネス分野のみならず、教育界でも精力的な活動を行っている。累計出版部数は250万部を超える。

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電子の時代はもう、終わっている


――世の中を変えるものとして、電子書籍の存在というのは、出版界全体に影響をもたらすと思いますか?


神田昌典氏: 基本的に変わらないんじゃないかと思っています。確かに色々な面で読書のパターンというのは変わってくるけれども、本がなくなるまでには、まだ時間がある。

それは書籍の歴史を見ていると分かると思うんですけれども、本って流通が整うまでにかなり時間が掛かっているんですよ。どういうことかと言うと、導入期と成長期と成熟期を出版業界全体でみて、私が試算してみたところ、2025年とか30年位までは書店は残る、みたいな感じでした。

――2030年ですか。紙の本の価値はどういった点だと思われますか?


神田昌典氏: 「出版界に大激震」という議論は、常にあるんですけれども、意外に(出版界は)しぶといんですよ。とっておきたい本が電子書籍になるというケースはあったりしますけれど、印刷物としての本は、やっぱり電源を繋がなくても、いつでも24時間パッとめくれるから強い。そして書き込めるし。風呂に持ち込めるという点でも、媒体価値はあります。

一つの本をオンラインで同時に読むんだったら会っちゃった方が早くて。今はどちらかといったら、喫茶店での「朝活」「読者会」などが急速に伸びていることからも分かるように、電子書籍の時代は終わった、と私は思うんです。

――え、始まったばかりではないんですか?


神田昌典氏: もう終わりました。要するに電子の世界というのは、2011年までで情報インフラとしてのインターネットが完成された。そうするといわゆる、水道の蛇口をひねれば水が出るようなもので、情報自体の価値は極めて安くなるんです。そこで利益は出しにくい/出にくい/出せない。つまり、電子媒体のインフラを作る作業は大体終わったということになります。そうなると電子の時代はもう、あって当たり前のものだから、「それを使って何をするか」という事が非常に重要になってくるんです。

つまり、電子を使って知識を創造するというのが、これからの15年の流れなんです。「知識創造」が大事なんです。でも、オンラインよりも、今はこうやって人と集うという方が実を言うととても効果的なんですね。人が集まって知識創造したものをデジタルリソース電子でアーカイブ化し、もしくはオンラインで放映することによって、より多くの人に届けていく、という事はあると思うんです。

例えば世界中のプレゼンテーション動画を公開している「TEDカンファレンス」のイベントのように、ひとりひとりが集って、発表会をやっている。TEDが開催されている現地に行って見ようと思うと、まず何十万円もの旅費がかかるだろうけれど、TEDはオンラインで見ることができるので、つまり世界最高のプレゼンテーションを実質無料で視聴できるということです。

そう考えると、インフラが整ってひとりひとりが発信者になり、いわば“放送局”を持てる環境になったいまだからこそ、「人と人との出会いを通じた深層レベルのコミュニケーション」が大事で、その時に、人々が共通意識を持つための道具としては、本というのが非常にいい媒体だと思っています。

より実りがあって、夢に近づける読書方法について考える


――神田さんは本当にたくさんの本を書かれていますが、現在では定期的に読書会も主宰なさっているそうですね。


神田昌典氏

神田昌典氏: Read 4 Action-リード・フォー・アクション(以下/RFA)という全国規模の読書会を昨年9月に立ち上げました。それが今、立ち上げから9か月で約170回、北海道から沖縄、さらには韓国でおこなわれています。日本でおそらく最大規模のソーシャルリーディング・ネットワークと言えるのではないでしょうか。そこでは、大手出版社さんと言われる、講談社さんや、大和出版、日本実業出版社等々に講演をしていただいたり、勝間和代さんや本田直之さんをはじめとしたビジネス書を中心とした著者の方からバックアップしていただいて、読書会をやっております。

――9カ月の間の170回というは、すごい数ですね。


神田昌典氏: 読書会をただ開催するのではなく、そこに会議を円滑に回し、的確な意見が言える人たちが参加することで、より参加者同士つながり合い、新しい発想が生まれるんですね。また、そこで出会った人たちが共感、共鳴し、そして協力し合いながら、読書会を通じてお互いの夢を実現できたら、それはすばらしいことだと思います。そうしたファシリテーション能力を持った人たちを、私は「リーディング・ファシリテーター」と呼んでいるのですが、こうした人たちが大体日本全国に100人位 いるんです。

今まで開催された170回の読書会に対して全国に100人のリーディング・ファシリテーターですから、一人当たりが開催している読書会は平均1.7回。さらに、このファシリテーターの人数を100人に増やすにあたってのステップをいくつか踏んでいきましたので、読書会を始めた当初からやっていらっしゃる方は10回以上、おやりになっているという勘定になります。

――読書会は「全員で単に本を読む」というだけではないんですよね。


神田昌典氏: 読書というのは色々な読み方があると思うんです。私たちのやっているRFAは、読書会を通じて何らかの形で行動に繋げていこうという目的で行っているので、どちらかというと「本から得られる情報を自分がどのように活用して何のためにやるのかという議論」を、昇華させるという作業になります。たとえば、先日出版された、私が監訳した『ザ・マーケティング』(ダイヤモンド社刊)いう、基本篇・応用篇の2巻あわせて900ページ超えの分厚い本を、その場で3時間で読み、それぞれのダイレクトマーケティングの現場でどう役立てるかという事を読書会の場で話し合っているんです。

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